理想の大レイアウトに思うこと・1・プロローグ&レイアウトのカーブ
プロローグ
何年か前のブログでTMSのミキストの感想文で「もし我百万長者なりせば」と言う題材でブログを書いた事があります。
当時のブログですhttp://pub.ne.jp/arccentral/?daily_id=20100402
そのおさらいですがその記事は「もし自分がレイアウトや鉄道模型に好きなだけ予算をつぎ込めるなら何をするだろうか」という随筆でアメリカのMR誌の記事を取り上げた物です。
そこではレイアウトルームでなく「レイアウトハウス」と言うべき建物が描かれ、天井の高い(大レイアウトを俯瞰できるような高い所にコントロールボックスがある)ホールに大レイアウトが組まれゲストルームやワークショップのスペースまで配慮されたプランが示されていました。
このレイアウトハウスと言うのはいかにもあちららしいスケールの大きな話で夢語りとしても面白い題材でした。
さて、これとは少し違うのですが中学〜高校生の時期、私が考えていたのは「実現し得る最大のスペース=体育館程度のスペースにレイアウトを作るとしたら自分ならどんな物を造るだろうか」と言う事でした。
もちろん当時(今でも)そんなスペースや予算等は確保できる訳もないのであくまでプランとしての夢想でしたが。
当時の私がした事は40p×20pの方眼紙をしこたま買い込み、そのサイズを一ユニットとしてその上に当時製品化されたばかりのレイアウト定規を使ってシーナリィや建物の配置も考慮したプランを10分の1のスケールで描く事でした。
1ユニット4m×2mというのはこれ単体でも十分な大レイアウトですがこのユニットを20近く組み合わせてひとつのレイアウトにする訳ですからプランとはいえ結構な物になります。
現に都市・近郊部のプランが出来上がった時点でプランを広げると10分の1のスケールのプランなのにそれだけで6畳間が埋まるスケールになりました(汗)
その時のプランを描いたペーパーが先日物置の隅から出てきたのですが、今にして思えばよくもこんな馬鹿な事をやったものだと(大汗)
とはいえ、30年近く経った今になって小さいとはいえ実際にレイアウトを作る身になってみると実現性は置いてもやってみた意味はあった様な気もします。
ここまでは思い出ですがこの機会に「私なりに理想とする大レイアウトとは何か」を色々な方面から考察してみたいと思います。
1、カーブ径から
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この趣味を始めた頃に買った入門書の長真弓著「鉄道模型レイアウト」。
最初は後半のポイント配線の分量の多さと分かりにくさに思わず辟易した覚えがあるのですが、最近になって読み返すとそれ以外の部分が非常に要領よくまとめられていてレイアウト作りに必要な基礎知識を得る上でよく使っています。
ここで最近特に興味を持って見ているのは甲線・乙線から簡易線までの線路の等級と必要なカーブ径・勾配の上限のデータです。
これによると特甲線(東海道・山陽本線、言い換えればC53やD52、EF66が爆走できるレベルの線区といえます)の場合標準のカーブ径は800メートル、最急で400メートル、勾配の上限は10‰(1%相当)だそうです。
これをNスケールに換算すると其々5・33メートル、2・66メートルとなります。
最も急カーブの丙線の場合の半径は標準300メートル、最急200メートル(ちなみに勾配は標準2・5%、最大3・5%)ですがこれでもNスケールでは半径2メートル、1・33メートル。Nゲージの市販の組線路でこれだけの大径のものはありません。
後から別な所で調べましたが簡易線の場合は最急160メートルだそうでこれだと1メートルちょっとのカーブです。
つまり実物の鉄道に準拠したカーブ半径のレイアウトをやろうとすると簡易線で奥行き2メートル以上、C53、C59牽引の特急列車や「あさかぜ」クラスのブルトレやEF66のフレイトライナーのフル編成を想定する特甲線に至っては単なる真円のエンドレスですら「標準的な駐車場の車6〜8台分のスペース」を使う計算になります。
これを実物通りに拘るなら「真の大レイアウト」を実現するには体育館どころかアリーナ級のスペースでも足りないでしょう。
まあ、それは置いておいて、最近気になっている事ですが、最近のモデルは見た目は非常にリアルな物が増えてきました。
が、それらが実際にレイアウトなりお座敷運転のカーブを走らせると「オモチャ丸出し」の連結面の見え方、「くねくね」ではなく「かくかく」と曲がってしまう編成物といったチャチな走りになってしまうギャップにがっかりする事が多くなりました。
これは決して広いとはいえない(早い話が狭い)私のレイアウトにおいても同様です(笑)
そんな事を考えていた折に驚かされたのがレイアウトテクニック所載の「雲助鉄道」の大径カーブが生むリアリティある列車の曲がりっぷりでした。
市販の組線路での曲がりが実物どおりにいかないのは仕方のない事で、これらの線路は現実的なスペースで運転を楽しむために急な曲線を使う事が多くなっています。
車両側では実物に比べてワイドトレッド、ハイフランジと悪条件下でも走行性を確保する様々な規格、構造でもあります。
だからこそテーブル上でも運転が楽しめる手軽さが実現している訳で私自身その恩恵に感謝し足りない位です。
とはいえ、実物の鉄道の走りが美しく見えるのは組線路ではありえない微妙な曲率のカーブと適切なカント、気付かない程度の勾配や凹凸で演出される「走りの質感」に依存しているのも事実と思います。
これをエンドレスまたは屋内のレイアウトで実現しようと思ったら標準的なサイズ(ここでは畳一枚・もしくは市販のレイアウトボードを指します)では実現が困難なのは当然でしょう。
ここでやっと結論になりますが、私なりに考えた大レイアウトのメリットとは、広いスペースにものを言わせて無闇に線路を引き回し増やしたり、色々な風景を幕の内弁当みたいに詰め込む事よりも「実物に近い大径のカーブと緩い勾配が実現できる事」にあるのではないかと思い始めました。
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「それでは実際に大径カーブだと列車がどう見えるだろうか」という疑問が出てきました。
ですが、大径カーブが良さそうとは写真で見たり頭では思っていても実際のイメージとなるとピンと来ません。
そこでとりあえず自分のできる範囲で実験してみようと思い立ちました。
まずは手元にあるスタイロフォームとフレキシブル線路を使って900R前後の直角カーブを試してみます。
スタイロフォーム上に下書きしたカーブに沿ってフレキシブルレールを釘で止めただけの安直な物です(この時点で「その場の思い付きを実行してみた」感が満点ですが)
現在市販の組み線路で最も大径なのはファイントラックでは605R(当レイアウトでは竹取坂駅のアプローチ線路に使っています)ユニトラックでは700R前後(6番ポイントの側線設定用)だったと思いますがそれよりも2割か3割がた大径のカーブとなります。
又、16番でちょっと精密な蒸気機関車などになると900R程度を最小回転半径に設定する物が増えてくる様なので実質的にはこの辺りがお座敷運転でも実用的に使える上限のような感じがします。
さっそく試しに5連の列車を配置してみました。
予想通りカーブの曲がりに対してかなり車体のフィット感のある印象です。280R〜350Rでは消せない編成の各車間の「かくかくした感じ」がかなり緩和されました。
これを視点を下げて見るとかなりのリアルさを感じます。
周囲に何一つ建物もシーナリィも置いていないのですが線路の曲がりだけでこれ程のリアリティが出るとは思いませんでした。
いや、何事もやってみる物です。
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ではもっと大径のカーブだとどうなるでしょうか。
という訳で、再び線路を張りなおしてみました。
外側は大体半径1.5から1.8メートル位、内側は1.2から1.4メートル位といった所でしょうか。以前取り上げた「雲助鉄道」の標準カーブに近い数値ですがこちらはNなので16番換算では実質2倍近いカーブになります。
ここに列車を配置してみるとかなり実物の見え方に近づいているのが感じられます。
写真ではそれほどでもありませんが、実際に動かしてみると列車がゆったりとカーブを曲がってゆく様はなかなか感動ものでした。
これは編成ものばかりでなく単行のDCや単機回送の機関車でも同様でした。短い編成では大径カーブのメリットは少ないのではと思っていたのでこれは意外な誤算でした。
これを列車を真上から見ると、連結間のつながりの不自然さが和らげられているのがわかります。ただ、外側と内側の見え方にそれほど差は無く(おそらく大径になればなるほどわずかな半径の差は見た目には気にならなくなると思います)先日の900Rほどのインパクトはありません。
ただ、これ位の大径カーブが設定できるなら実物に近い連結間を持ったモデルを走らせるメリットはあるかもしれません。
とはいえ、これほどのカーブを持ったエンドレスでは現実問題として常設は無理ですし、お座敷運転でもかなりな制限を受けるとも思えます。
ここでもう少し現実的に大径カーブを楽しむ方法はないかと次に考えました。
レイアウトの長尺方向、普通なら直線レールで処理される部分に緩いカーブを組み合わせた時の実験です。
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今回は前ほど大掛かりな実験線ではありませんが、フレキシブルレールを板の上に置き、両端を画鋲で留めただけのものです。
が、フレキシブルレールの構造(枕木にレールが固定されておらずレールだけスライドする)上両端の枕木を固定するだけで板の上では軽く指を添えるだけでレールの曲率が自在に設定できます。
これなら前回よりも曲率のゆるい(=より大径の)カーブが手軽に体験できます。それもコタツの上で(笑)
今回のはあきらかに前回より曲率が緩く、真円を想定すれば半径4メートル以上、事によると5メートルを超えるかもしれません。つまりほぼ実物に準拠したカーブになります。
車両を配置してみると編成のつながりに関する限り殆ど実物と変わらない印象になったと思います。
前回半径1メートル超のカーブは900ミリのそれとあまり印象が変わらないと書きましたが、さらに大径な今回のものと比べるとまたリアリティの差を痛感させられました。
又、単純にレールだけをみても今回のものは線路の流れがごく自然な感じがします。
風景がついた場合、これよりきついカーブでもリアルな雰囲気は出せると思いますがそれでも実際に20メートル級の編成物が通過すると馬脚を現してしまいそうな気がします。
(二軸貨車などの短い車両で構成された編成ならばその危険はかなり和らぐと思います)
これ位の緩曲線ならリバースカーブとしてエンドレスの一部にするよりもむしろ直線部のS字カーブに設定した方が現実的な気がします。
1−5
前回までの実験をもとにお座敷運転で走りの質感を煮詰める方法を考えてみました。
エンドレスの二つのカーブの間の「直線部分」に演出の余地があるのではないかと思えます。
普通ならばここは直線の組線路を使う所ですが、フレキシブルレールを板に固定する形にし、その間をゆるやかな「揺らぎカーブ」にしてしまう事で列車がくねりながら走る演出を図ろうと思います。
ここでのカーブの曲率は可能な限り大きい方が良い訳です。できるなら1500R以上確保できればと思います。
ただし、普通のエンドレスでこれをやろうとすると同じカーブの頂点同士を結んでしまう形になり不自然に見えてしまうのは避けられません。これは規格化されたモジュールレイアウトに設定された揺らぎカーブの不自然さを見るとわかります(両方の終端の線路位置を揃えなければならない制限があるので避けられない宿命といえます)
曲率の異なる二つのカーブを両方に配置したエンドレスであればそうした不自然さは多少和らぐのではないかと考えました。
この場合、曲率の異なるカントレールが2種類ある事からKATOのユニトラックをリバースカーブに使います。片方に282・315Rのカーブ反対側に381・414Rのカーブを配置しその間を繋ぐ直線部分に揺らぎカーブを取り入れる事で直線部分の揺らぎカーブを少しでも自然に見せたいという目算です。
以上の考えからお座敷運転用の実験線を仮設してみます。
幸い、ユニトラックのカントつきエンドレスのセットはすでに持っているのでこれをベースに使います。
248ミリのストレートレール6本分のストレートを確保、リバースカーブは片方が381・414R、反対側が282・315Rとなりその差は10センチ弱となります。
この範囲で直線部分にフレキシブルレールを使った揺らぎカーブを設定します。
ベースは手持ちの15センチ幅の板を使い実験線の両脇はカントレールのアプローチを固定、さらにフィーダー線路も固定してしまいました。
こうする事でお座敷運転の設営の簡略化も狙っています。
フレキシブルレールとユニトラックとの間にはアダプター線路。本来はTOMIXとの併結を想定したパーツですが線路の高さを揃える工夫をすればフレキシブルとの連結も容易です。
実はこの線路の存在も実験線をユニトラックで製作する動機になっています。
フレキシブル線はあらかじめ引いた線に沿って釘で固定。実験線の性格上、後から曲率を変更したりカントを追加する事も考え接着剤は使っていませんし現時点ではバラストも撒きません。
要はただ、板にフレキシブルレールを固定しただけの味も素っ気も無い実験線であります(汗)
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一応形のできた実験線で列車を走らせて見ました。
予想通り単純に直線をまっすぐ走らせるよりも「揺らぎ」に近い曲率のゆるいS字を身を微妙にくねらせながら走る方が眺めていてリラックスできます。和みます(笑)
このユニットは幅17センチ長さ1・8メートルですがシーナリィが無いので使わないときは棚の上か部屋の隅に立てかけておけるぎりぎりのサイズと思います(スキー板よりやや大きい程度)
設営については直線6本を接続するより手間がかからず又、ユニトラックでよく聞かれる通電の弱さもジョイントの少ないフレキシブルレールを使う事で幾分解消できます。
上から見ても、又視点を下げても列車の走る姿を見るだけでとても和める事が今回の実験で一番の収穫でした。
何より有難かったのはこの魅力は「車両の種類を選ばなかった」事です。機関車の単機回送やディーゼルの2連から長編成の電車まで、あるいは敢えて自分のあまり気に入らない車両を走らせてもこの実験線上ではとても魅力的に見えました。
モデルそのものの魅力や作りこまれた風景だけではこのリラックス感はなかなか出せない気がします。
してみると、理想の大レイアウトの条件に「ゆったりとしたカーブを持った線形」というのは外せないと思いました。
1−7・補足
今回は久しぶりにお座敷運転で気付いた事と考察みたいなものを。実はこれは震災前に書いていたのですがこの機会にあげようと思います。
実験線が出来てからこれまでよりもお座敷運転の頻度が増えています。
S字カーブの魅力もありますし、設営の手軽さも後押ししている様ですが問題もあります。
これはユニトラック特有の問題とも言えますが複線用のフィーダーレールの配線の出口が両側に一本づつと言う構造のため複線のエンドレスでは内側線ではエンドレスの中にパワーパックが配置される事になり二人で運転する時など少々うっとうしい事になります。
この場合、線路の下に配線を通してパワーパックを出してやればいいのですが配線が回り道をする事になり見た目にスマートではありません。
又、線路の下にTOMIXのそれより太い電線が通るので当然そこだけ微妙な出っ張りができる事になります。
・・・などと文句みたいな言葉が出てしまいましたが実はこの弱点のおかげでお座敷運転の魅力のひとつを発見してしまったのですから世の中は分かりません(笑)
お座敷運転ではS字カーブのない反対側の直線(S248の6本分の長さです)の下にフィーダー線を通しましたがたまたま列車の撮影中にこちらの直線を撮影した所、線の通っている所の微妙な盛り上がりをクリアする電車編成がとてもリアルに見えたのです。
実際の鉄道でもこれ位の起伏はあちこちで見かけますし電線一本分の出っ張りは立体交差を前提にした30〜40‰の勾配よりはるかにリアリティが感じられました。
畳の上での運転だとこれ位の起伏はいくらでもありそうですが、こういうのもお座敷運転ならではの楽しみと言えそうです。但し、いい歳をしたおっさんが畳の上に顔面をすりつけて列車に見とれているというのはどう見てもみっともないですから誰もいない時に限られる楽しみと思いますが(汗)
そして一方、固定レイアウトでこうした演出を意図的に入れようとするとどうしても一定以上の規模のレイアウトに限られるでしょうからこれも又大レイアウトの楽しみ方(あくまで個人所有のレベルでですが)と言えそうです。
モデルのスケール感や迫力にも圧倒されましたが、一番インパクトを感じたのは列車を通過させた時のリアリティでした。
このモジュールは吊橋らしさを出すために橋の中央部を頂点にした微妙な盛り上がりが再現されています。
そこを列車が通過するときの姿を前から眺めると模型らしからぬリアリティを感じました。
前にも書いた微妙な勾配の効果が非常によく出ていると思います。
以前、お座敷運転での微妙な勾配についての考察で下記のような事を書きました。
実際の鉄道でもこれ位の(微妙な)起伏はあちこちで見かけますし電線一本分の出っ張りは立体交差を前提にした勾配よりはるかにリアリティが感じられました。
畳の上での運転だとこれ位の起伏はいくらでもありそうですが、こういうのもお座敷運転ならではの楽しみと言えそうです(中略)一方、固定レイアウトでこうした演出を意図的に入れようとするとどうしても一定以上の規模のレイアウトに限られるでしょうからこれも又大レイアウトの楽しみ方(あくまで個人所有のレベルでですが)と言えそうです。
これを書いてから一月ほどでその生きた実例を見られるとは。
しかしこの橋は全長2メートル強、これだけの長さがあるがゆえに実現できた効果ともいえるのでこれを自分のレイアウトに持ち込むのは難しそうです(汗)
以前の実験線をこのブログを始め一部のSNSなどでも発表させて頂き、諸兄の意見を頂きました。
おおむね実験線でやった様な大径のカーブを使ったエンドレスのリアリティと実現の困難さについては殆どの方が指摘されておりました。
私もこんなのが普通に配線できるレイアウトが欲しいと思いますが、今回は部分的にでも実現の可能性があるかを測る意味もありました。
単なるお座敷運転、それも単純なエンドレスでもこうする事で走りの質感が大分変わる感じがします。最近の専門誌でもなかなか見ない「組み立て式レイアウト」もそろそろNかZで再評価される時期かもしれません。
(これは単なるお座敷運転と異なりあらかじめ所定の線路配置にのっとりヤードなどのユニット化、フレキシブル線路を使った自由度の高い線路配置を実現したものを指します。要するに「よくある幾何学模様」でない線路配置のものと言う意味です)
又、先日来16番やZゲージにも拡大して同様の緩曲線の実験を続行中です。いずれの場合もNと同様の効果が感じられましたが、これらの組み合わせで別の効果も出せないかと考えています。
それについてはある程度まとまった段階でいずれ触れるつもりです。
一方、S字カーブの実験線については「撮影用のジオラマにこれを使いたい」と言う物が多かったように思います。
これは私も同意見で単純な直線よりは列車が魅力的に見える事は請け合えると思います。
さて、その直線区間のS字カーブですが、列車を走らせる分にはなかなか楽しいのですが必ずしもこれが万能ではないシチュエーションもあるという事に気付きました。
次章で触れる大レイアウトの俯瞰の魅力ですが、実は動的に俯瞰を楽しむ場合があります。
博物館やレンタルレイアウトでは難しい事が多いのですが、クラブなどの集合式(モジュール)レイアウトの運転会などでは「ギャラリーが歩きながら列車を追いかける」見方をする事があります。
あるいは俯瞰で列車の流し撮りをするケース。
私の所属するクラブの運転会ではショッピングセンターで行われる性質上本番ではこうしたマネはできないのですが、前夜のモジュールの設営後の試運転などで試せる事があります。
正にヘリコプターの視点で列車を上空から追いかける様な感覚が楽しめるのですが、この場合中途半端なS字カーブは列車の動線を乱しやすく却って見苦しい事もありそうです。特に流し撮りではそうかもしれません。
むしろそれならたっぷりの直線を利した豪快な走行を楽しんだ方が良いとも思えます。
これは正にモジュールレイアウトならではの楽しみと思えます。レンタルレイアウトなどで歩きながらの流し撮りでもやった日には(汗)
最近はワイヤレス操作のパワーユニットが登場している事もあり「俯瞰で列車とともに移動しながら運転操作も同時に出来る」運転光景が一般化しそうですが、そうなるとこれまでの様な「固定した運転席から同じ風景を眺める運転形式」から脱却した、線路配置や風景の作り方を求められるかもしれないですね。