kansei
 
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理想の大レイアウトに思うこと・3・レイアウトの高さのはなし

 予めお断りしておきますが、ここまでのも含めてこれはあくまで個人的な考察ですので決して「普遍的な定義」ではない事をご了承願います。

 

 私のレイアウトの場合、レイアウトのベース高さはクレイドルレイアウトは大体500ミリ、現在移設保存中の電気街周辺が960ミリプラス50ミリとなっています。
 この高さの設定ですが、前者の場合床に胡坐をかいて座りながらの運転を、後者は事務椅子に腰掛けての運転を想定しています。
 こう書くとカッコいいのですが、実際は前者は設置場所の天地高の低さから、後者についてはレイアウトを設置するフレームのL字材の長さが900ミリを基準にしているところから決まったもので特に科学的、合理的な根拠を持って決めたものではありません。

 クレイドルレイアウトを収納しているフレームも900ミリ基準で上に被せる防塵用の覆いのために建物や山の高さを差し引いた500ミリと言う数字になっているに過ぎません。
 ですが、レイアウトを楽しむ際「どんな姿勢が基準となるか」で最適な高さが変わるのは当たり前のことで、この点には考察の余地があります。

 経験で言うなら胡坐を書きながらの運転は長時間はきつく、椅子に座り、骨盤を前傾させて背筋を伸ばしながらレイアウトを適度な俯瞰で眺められる電気街(笑)セクションの方がただ眺めているだけでもだいぶ癒されます(どんな風に?)
 増してや床に寝そべりながらのお座敷運転は特にNやZでは論外で見た目にみっともないばかりでなくそのまま昼寝に移行してしまうと言う弊害が(爆)

 ところで先日、小耳にはさんだ事なのですが欧米、特にアメリカあたりではレイアウトのベース高さが高くなる傾向にあり大体1000ミリから1300ミリ前後の物が増えているのだそうです。
 彼の地でも増えているウォークアラウンド運転を基準に出来るレイアウトの場合、車両の足回りのアクションを楽しみながら運転するには1200ミリ〜1300ミリ程度の高さが最適と言う論には確かに説得力があります。

 
 実際、ウォークアラウンドに近い楽しみ方というと私の周囲では所属するクラブの運転会がそれに近い感じになるのですが、そこでのモジュールの高さはショッピングセンターの売り場用の陳列台の上にフレームを置いている関係上700ミリプラスアルファ程度。これでは常時車両を見下ろす角度になり足回りのアクションが観にくいだけでなく脱線時のメンテナンスなどで姿勢の変化が大きくなり疲れやすさの元になっていると思われます。
 (但し、ギャラリーに多い子供たちにとってはこれ位が最適な高さになります)

 しかし現実問題として個人レベルで列車の動きについて行歩きながら運転が楽しめるスペースと言うのは日本ではかなりの大レイアウトになります。
 あるいは部屋の真ん中にレイアウトを設置しその周りをぐるぐる回る場合とかなら小スペースでも可能かもしれませんがその場合でも畳1枚以上のサイズとその周りを回れるだけのデッドスペースがある場合に限られるでしょう。

 日本家屋の場合、特にここ20年ほどの間に新築された家屋の場合は耐震基準に適合する為に掃きだし窓の一部を除くと窓の高さが床から大体900ミリ程度となっている事が多いようです。
 固定レイアウトを設置する場合、大体の場合は壁や窓際に密着させるケースが多いでしょうからこれ以上高い場合、レイアウトが窓を塞いでしまう可能性はかなり高くなります。更にベースの上にはシーナリィが載る訳ですから実質的な高さはこれより更に高くなるわけです。窓のない倉庫のようなレイアウトハウスが持てればこの問題はクリアできますが(でもそういうのが欲しいですね。出来れば天窓のついたものが)

 ですからここからの論はあくまで「妥協案的考察」として書かせていただきます。
 
 900ミリ程度の高さの場合ですと前述の通り椅子に座って操作する場合、高架線路よりやや高い視点で眺める事になりそこそこのレベルですが走行をリアルに楽しめる感じがします。
 そして椅子から立ち上がった場合は一気に視点が上がり町並みを高層ビルから見下ろす視点が取れます。
 もうひとつ、直射日光さえ気にしないなら窓際に置かれたレイアウトは実景を借景代わりに使えると言うメリットが出て来ます(とはいえ、これが出来るのは実質窓の外が開けた北向きの窓に限られると思いますが)

 更にこれが重要なのですが、余りレイアウトが高すぎると奥まで手が届きにくくなると言う問題が出てきます。これはメンテナンスで不利な事と、後からの改修作業に支障が出やすい事をも意味します。
 特に日本の様に欧米以上に虫害や鼠害、更に黴害を気にしなければならない環境下ではよほど空調や密閉性に自信がある場合を除き「手が届かない空間は出来るだけ少ないほうが望ましい」と言うこともあります。

 これらの問題をクリアできる条件があれば1300ミリと言う根拠には妥当性が高いのですが個人的な経験則からいえば日本の環境で畳1〜2枚程度までのサイズのレイアウトを楽しむとなると900ミリプラスアルファ程度の高さが現実的のような気がします。
 もし、どうしても1300ミリにこだわるなら壁面に長押のような棚を設置して底に線路を敷設した運転台の方が現実的でしょう。
 恐らくこの辺りが第一段階ではないかと思います。

 とはいえ、レイアウトの設置高を高くする事自体は私は大いに賛成します。
 個人的な考えではこれが定着する事でレイアウトの設置のハードルがこれまでより低くなるという期待が出てくるからです。

 考えてみれば現在の住宅環境で畳1枚以上のスペースを無駄食いするレイアウトを設置するスペースを捻出するにはかなりの困難を伴います。
 ですがカラーボックスの高さ(900ミリ)より上にレイアウトを設置できれば多少の問題解決になるばかりか、少なくとも椅座位での運転のリアリティはかなり高まります。
 もちろん奥行きを大きく取れない問題がありますがそれにした所でミニカーブレールを上手く使えば自己完結型のエンドレスレイアウトを家具の上に設置する事は昔ほど困難ではありません。

 もっと言うならこれが1300ミリ程度の本棚(があればですが)の上のレイアウトであればウォークアラウンドを考慮しなくてもかなり視点を下げたリアルなジオラマ風景を楽しむ事が可能になるでしょう。
(家屋構造上、この高さの大レイアウトを私有するのはかなり難しそうですから16番の場合セクション的なものになるでしょうが)
 様はそれだけ床の占有面積を節約できレイアウトを持つ事へのハードルは下がるという訳です(かなり強引な展開汗

 )

 
 但し、どの場合でも私が推奨したい条件があります。
 それは「レイアウトの上に十分なホリゾント(背景)が設置できること」です。
 如何に視点を下げて車両のリアリティを演出してもそこに「空」がなかったらそれはただの置物に過ぎず、折角煽りの視点で車両を眺められる効果が著しく減殺されるからです。
 ですから「煽りの視点の取れるレイアウトの高さ」と「それを支えられる背景」とは車の両輪の様なものと考えます。

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