理想の大レイアウトに思うこと・4・大レイアウトのポリシー&まとめ
4−1「大レイアウトのサイズとは?」
さて、これまで大レイアウトについていろいろと考察してきましたが、ここで根本的な疑問として「ではどれくらい以上の大きさが『大レイアウト』と呼べるのか」という疑問に突き当たります。
話は飛びますが私、趣味の中断中の一時期にAV(今では『アダルトビデオ』の意味が多いですが当時は『オーディオビジュアル』の略称の方が一般的でした)に興味を持っていた時期があります。
時期的には昭和の終わり頃から平成の頭のいわゆる「バブル時期」に当たります。
当時は液晶やプラズマモニタどころかBSもなかった頃でブラウン管テレビの37インチが「常識外れの大画面」などと持て囃されていた時期でもありました。
その頃の私は6畳+4畳半の貸家住まいでトイレはくみ取り式、エアコンはおろか電子レンジや洗濯機もないバブルとはあまりに縁のない生活(当然場所を取りまくるレイアウトなどは夢のまた夢でした。辛うじてTMSだけは読んでいましたが)だったのでカタログや雑誌を読み漁り「夢のAVシステムプラン」を夢想する日々でした。
さてこれがどこでレイアウトと結びつくかと言いますと、当時AV雑誌でよく言われていたのが「1畳当たり7インチ」という言葉でした。
これは「1畳の広さで7インチ相当の画面サイズで計算すれば部屋の広さにふさわしい大画面が計算できる」という考え方です。この数式に従えば6畳では42インチ、4畳半では32インチ相当となります。ここでいう「インチ」とは画面の対角線の長さを指します。これを幅に換算すれば90センチ弱位でしょうか。
今だと薄型テレビの普及でもっと手軽に大画面が実現できていますが当時はこれ位の大きさでも「おうちに映画館が」という衝撃がありました。
今の感覚ではブラウン管よりも 近接視聴が可能なのでもっと大きな画面が可能となっていると思います。
さて、ここでいう大画面の指標として「部屋の広さに対する比率」があります。一畳当たり7インチを基準にするなら3畳で21インチで大画面になる訳ですが、これをレイアウトにあてはめるなら21インチテレビの占有面積程度が限度という見方が成り立ちます(それ以上大きくなると部屋として使う上で支障が出ると思われる限界と言えるのではないでしょうか)
その観点では市販のデスクトップレイアウトは常設を前提とすると精々6畳間に置くのが限界でしょう。
言い換えれば上記の基準でいうなら6畳間で40インチブラウン管TVより大きい専有面積を持つレイアウトは(相対的な意味で)大レイアウトに見える可能性があるとも言えます。
これは常設の固定レイアウトを生活に溶け込ませる形で配置する際にはひとつの目安になりそうです。
但し、これは「専用のレイアウトルームでない」場合の話です。
専用のレイアウトルームではそうした縛りはかなり減りそうです。やろうと思えば6畳間をすべてレイアウトにすることも可能なわけですから。
その場合レイアウトの大きさを決める要素としてもうひとつ、「人間の視野角」の側面を忘れてはならないと思います。
先に触れた「1畳当たり7インチ」の基準は部屋の広さに対する画面の比率ですが、これは部屋の広さに規定される視聴距離とから得られる最大の視野角を基準においているようです。
AV、および解剖学的なデータとして人間の最大視野角は 水平約 200 度垂直約 125 度 人間が識別できる最小視野角は1/60度(視力1.0の場合) 人間が普段集中している視野角は46度、人間が周囲の状況を把握するのに最低必要な視野角は110度というのがあります。
これをAVに当てはめた場合、人間は視野角20度を境に臨場感が増すこと、約80度から100度で満足度が上昇するという話を聞いたことがあります。同じ映画を映画館で見るのとTVで見るのとでは迫力が違って見える理由の一つが視野角いっぱい、あるいは視野角を超えるサイズの大画面を目にしているという理由も大きいと思われます。
これを元に計算する事で「大レイアウト」と感じる最小限の横幅は計算できると思われます(先述の理由によりこの数字は部屋の横幅と奥行きによって違う数字が出るはずです)
しかもこれはギャラリーがそこから動かないという前提での数字です。
実際に大レイアウトを意識するのは「回りを見回して周囲にミニチュア風景が出現している」場合の方が多いと思われます。
同じ場所にいて周囲を見回す場合、頭頚部の ROM(関節可動域とも言います、range of movement) は前屈60°?後屈50°左右側屈各50°?左右回旋各70°(実際には体幹の動きも加わるので これらの実質的な角度は更に大きくなります)
これだけの根拠を挙げればお分かりと思いますがこうした見る者の視野角や頸部の動きの要素を計算に入れた場合、単純に小スケールモデルの「ほかよりレイアウトを小さくできる」という売りが実はあまり意味を成さないように感じます。
結局はNやZゲージでも視野角を基にした至適規模(レイアウトの大きさ)はOや16番と変わらないのではないかと思われます。
強いて差をあげるならカーブの最小半径に規定される奥行きの違いですがメルクリンや鉄道コレクション等でも分かるように車両側のアプローチでもカーブの半径は小さく(奥行きも小さく)できるのでこれは決定的な差にはならないと思われます。
但しスケールの違いによる「運転可能な編成の両数」ではかなりの差が出てきますが。
尤も小レイアウトには特有の魅力も多いので大レイアウトだから良いと単純には言えません。
今回は大レイアウトに話を絞っているのでこういう仮説が出てきたというだけのお話でした。
4−2・「何のための大レイアウト?」
これまでは大レイアウトを構成する要件の視点からばかり書いてきていましたが、ここまで書いてきてそれよりも肝心な点を見落としてきた事に今になって気が付きました(大恥)
それは「何がしたくて大レイアウトなのか」という点です。
博物館などの展示用のレイアウトなら「多くの列車を見せる(日本の場合このレベルで止まってしまっているのが多い)」という視点でしょうし、クラブ所有とかレンタルレイアウトなら「自分の列車を思う存分走らせる」というのがメインに来ると思います。
個人所有の大レイアウトの場合「作ることそれ自体に価値を見出す(意外とこのパターンが多い)」「本格的なダイヤ運転に対応する」「鉄道のある物流・社会システムを再現する(欧米の有名レイアウトにはこのパターンが多い)」というのもあるでしょう。
これらのうち後の二つに関してはトラックプランやシーナリィの圧縮のセンスによって小レイアウトでも可能な条件と思います。
実際の鉄道旅行などをして見て感じるのですが車窓風景を眺めていると「ビルや商店の立ち並ぶ駅」から出た列車が「郊外の住宅街」を経て「田園風景」「山岳(あるいは海岸)」に至ると言う「風景のうねり」を目の当たりにする事に楽しさを感じる事があります。
最近のクルマでの旅行では高速道路やバイパスが意図的に町の郊外を縫って走る事が多いので、こうした感趣を求める事が難しくなっています(同じ事は最近敷設された新幹線でも言えますが)
これなどは鉄道を使う、眺めるという魅力のひとつではないかと思います。
そう考えた時に「長編成の列車が風景のうねりの中を走りぬける」さまを眺める事は大レイアウトならではの魅力ではないかと思えて来ました。
この場合「様になる走り」「カッコよく見える走り」というのは小レイアウトの短い横幅で再現するのが難しいだけに(だから編成の短縮とか小型車中心という妥協案が出てくる)こういうのも大レイアウトの存在意義ではないかと思えます。
もちろん運転そのものを楽しむ為の大レイアウトという方向もあるのですが、その場合TOMIXのワイヤレスコントローラを駆使し(できるならこれにDCCの様な動力車ごとの個別のコントロール機能でもあればベスト)てレイアウトの周りを歩きながら列車の動きを追いかけると言う楽しみが必要ではないかと思います。
コントロールボードが固定されていると大レイアウトになるほど死角が大きくなるばかりでなく、奥を走る「豆粒列車」を眼で追いながらの運転にもなりがちで、その煩わしさが早く飽きてしまう原因にもなっているのではないかと思います。
ただ、その場合でも「楽しく眺められるレイアウト」と「運転が楽しいレイアウト」が異なるものであるとは思えません。
特に大径カーブを駆使したレイアウトならば優れたコース設定のされたサーキットでスーパーカーを走らせるそれと共通した快感があるのではないかとも思えます(そんな経験ないですけれど)
私個人の場合「眺める」要素が他の人に比べてやや大きい様で運転会でも自分が運転するよりも他のメンバーの自慢の編成が自分の作ったシーナリィの前を走ってゆくのを眺める方が楽しく感じられる事が多いです。
(ウォークアラウンド操作を実践すればこの印象は少しは変わる気もするのですが)
そのせいもあるのでしょう、前回書いた大レイアウトの条件のいくつかは「眺める」楽しみにプライオリティを置いたものが多いようです。
人によっては「眺めているだけなんて趣味ではない」という向きもあるかもしれない。ですがそれなら映画や美術館で名画を眺めるのも趣味とは言えなくなります。
「作る」という側面で捉えた場合は何より「自分の眺めたい景色を自分でプロデュースできる」事にレイアウトの趣味の重要な本質がある以上大レイアウトになるほど腕の振るいどころもあるように思えます。
この点は予め想定されたプロトタイプに沿って作り上げる模型車両工作とはやや異なるものの「作る楽しさ」そのものであるとも言えます。
こんな事を書いているうちに自分でも興奮してきました(汗)
実現可能性をすっ飛ばしてここまで妄想を垂れ流した事は近年なかったです。
ここまで書いたポリシーと条件で自分の大レイアウトが作れるとといいのですが(大汗)
4−3・大レイアウトの運転とカプラーのはなし
今回は大レイアウトでないと楽しめない運転形態とそれに関連したカプラーのはなしです。
小レイアウトでは困難な大レイアウトならではの運転形態とは何でしょうか。
長距離走行、複数の駅の行き来、本格的なダイヤ運転等色々あると思います。
他にないか色々考えてみましたが「分割併合運転」「相互乗り入れ運転」はどうかと思い当たりました。
どちらも小レイアウトやお座敷運転でもやろうと思えば可能な形態ですが、複数の駅の行き来を前提としている事や異なる線区の行き来を視覚的に納得させるには異なったシーナリィが必要である事を考えるとシーナリィ付きの大レイアウトでないと楽しみにくい運転形態と思います。
(もっと言うとこの形態ですと一人での運転は困難でありクラブ所有のレイアウトに向いているとも言えます)
相互乗り入れについては幸か不幸か(笑)ファインとユニと言う二つの線路規格が並立している事を逆手にとってJRをユニ、私鉄をファインと言う風に使い分ける事で車両だけでなく路線の違いを楽しむ方向も行けそうです。
(これは以前ETVの趣味悠々のレイアウトでJRと私鉄線を異規格のパーツで作り分けていた事から思いついた事です)
もうひとつの分割併合ですがこれは二つの路線を繋ぐジャンクション駅が設置できれば形の上では可能です。
こちらは同じ規格でもジャンクション運行が可能ですし私鉄を中心に良く見かける形態です。
(もちろん新幹線やブルートレインでも、特に後者は機関車の付け替えと言う楽しみもあります)
ですがここで引っ掛かる大問題があります。
アーノルドとマグネマティックを除くKATOやTNカプラーなどの独自規格カプラーの大半が「自動解放が出来ない」事です。
駅の構内で分割をやろうとする時にいちいち「手で列車の切り離しをやる」というのはスマートではないですし第一「真のファン」を自称する向きが最も嫌がる「オモチャ丸出し」の光景でもあります。
自動連結はKATOのナックルタイプでならどうにか可能ですがこれまた「電車の先頭部にナックルカプラー」という間抜けな光景になります。
日本では分割併合運転の主力が電車なだけにこれは致命的です。
固定編成の中間なら現行のTNやKATOでも良いのですが機関車や先頭車用に自動解放、連結に対応した密連タイプのカプラー(それも出来ればDCCと連動してどこでも任意に解放できるタイプ)が出ないものかと思います。
最も一番手っ取り早いのは先頭車だけマグネマティックカプラーにしてしまう事(アンカプラーの種類が豊富なのと外見のダメージが小さい事がメリットです)ですが手間とコストが馬鹿になりません(汗)
こういう悩みが出るのも日本ではまだまだ本格的にレイアウトが普及していない(レイアウトでないとできない運転形態が定着していない)証左ではあるのですが。
4−4.ヤードの比率
先日の運転会でふと思ったことから。
昨年来駅を中心にしたヤード部分が新調され、運転会の運転効率は飛躍的にアップしました。
ヤードのスケールも個人所有ではまず見られないであろうサイズ(600×4500くらい)でフル編成のブルトレが9本同時留置が可能でコントロール側の4本の引き上げ線ではそこから3本のメインラインのどこにでも列車を回せるという優れものです。
先日の「EF210が100両のコキを牽引する」という無茶な編成をメインラインで他の列車が走る中でおこなえたのもこのヤードの存在あって初めて可能でした。
クラブの運転会の場合でもレイアウトの中に大ヤードがあるにはあるのですが列車の入替え、撤収というきわめて実用的な用途に使われる事が多いです。
それまでの運転会で使われていたヤードは作りこみは凄かったのですが長編成の列車を入替えるという用途への配慮が不足していたために却って入れ替えが煩雑になり、しかも入れ替え中はメインラインの運転が同時に出来ないという欠点がありました。
こうしてみると運転主体のレイアウトの場合、ヤードのトラックプランは実用性重視で考えなければならないことが痛感されます。
個人所有の場合も単なる留置線としてしか機能していないケースが殆どではないでしょうか。
そう考えると「大レイアウトだからでかいヤードが必要だ」とは一概には言えない気がします。
むしろ線路のメンテナンスも複雑化しますし車両にしても長期間の雨ざらし(というより埃ざらし)による影響のほうが大きいのではないでしょうか。
メインラインの運転をメインに置いたレイアウト、ことにリバース線や立体交差の多いレイアウトであればヤード広さより実用性を考慮したほうが有利ではないでしょうか。
恐らくメインラインの数×2本位がヤードとしての実用上の限界ではないかと思います。
むしろ必要なのはストレスなしで長編成の列車の乗せ替えができる引き上げ線ではないかと思います。
但し例外もあります。
それはヤードや駅そのものが主役のレイアウトの場合です。
この場合はヤードそのものの操作を楽しむのが目的ですから逆にメインラインはそれほど複雑である必要は無く、特にダイヤ運転を想定する場合は却って注意を散漫にさせる意味で複雑なメインラインは却って有害と思います。
但し、上記の仮説はあくまで「個人所有の大レイアウト」の場合の話です。
複数のメンバーが運転やメンテナンスを分担できるクラブ所有のレイアウトや展示用のレイアウトではこの限りではありません。
更に言うならそこでは「ひとつのレイアウトでの運転を(作ることそれ自体が目的となっている場合を除いて)長く楽しむ」というポリシーで考えています。
4−5・そして、まとめ
長い上にまとまりに欠ける所もありますがご勘弁を。
こういう脳内理想企画は金だけは使わずに済むので金欠時には持って来いではあります(汗)
これまで、折に触れて考察という形で大レイアウトについて考えて来ました。
従来、専門誌や博物館のレイアウト、あるいは最近興ってきたレンタルレイアウトなどで規模の大きい大レイアウトというものに触れる機会は増えてきたと思います。
ですがそれらを一通り見てきて「大きい事は大きいけれどどうもつまらない」と思える物が意外に多い事にも気づかされました。
(ある意味私の理想像に最も近かったのは横浜の「原鉄道模型博物館」と高輪の「物流博物館」のそれでした。特に前者は予め知っていたとはいえ、想像を超えた別乾坤が建立されていて大変参考になりました)
そこで「では、自分の理想とする大レイアウトがどういうものか」を条件の面から考えてみたくなりました。
これはひとつの思考実験としてですが、実現の可能性はさておいて(汗)自分の考える理想の大レイアウトとはどういうものかを形にしたいという思いがあったからです。
視野角から見たレイアウトの規模、緩曲線の径、微妙な勾配の効果、俯瞰の効果、そしてレイアウト自体の高さ等についてこれまで自分なりに考えをまとめて来ました。
それらを基にして考察や実験をしてきて、自分なりに作ってみたい、あるいは持って見たいと思う大レイアウトの形がおぼろげながら見えてきたように思います。
繰り返し強調しておきますが、これらは「一般的なレベルでの大レイアウトの定義」ではなく、あくまで「私個人が理想とする大レイアウトの形」という意味なのでそのつもりで読んでいただきたいと思います。
1・先ずレイアウトの大きさです。
これについては以前に触れた視野角と部屋の大きさ、レイアウトを眺める距離などから勘案して3畳間なら差し渡し2700ミリ程度の横幅、6畳だと2700〜3600ミリ(但し、横にメンテナンス用スペースを設けるなら600〜900ミリ程度狭くなると思われます)
これ位だとレイアウトを眺めた時にそれなりのパノラマ考えられると思います。
その上で奥行きやベースの形状ですがNスケールでもメンテナンスで「奥まで手が届く」と言う基準で考えると大体600ミリから750ミリ程度ではないかと考えます。
但しこれはベースが壁に密着している場合のはなしで、これが部屋の真ん中にドンと置かれた島式のレイアウトならどの方向からでも手が届くので900〜1200程度までは行けそうに思います。
更に単純な島式ではなく長方形のベースから半島状の差し出しを付ける場合、あるいは部屋の周囲をぐるりと回る場合などではそれなりの奥行スペースも必要になってきます。
最近一部の大レイアウトで見かける「レイアウト自体を何段にも重ねてその間をスパイラル線で結ぶ」タイプの大レイアウトも方向性としては面白いのですが、個人的には使う気になれません。
これは後述する「適切なレイアウトの高さ」「魅力的な俯瞰」という点で問題が多いからです。
2・曲線のRについて
実はこの点で大半の博物館やレンタルレイアウトが今ひとつ好きになれないのですが。
市販の組線路を多用する関係でこれらの大レイアウトではトラックプランが幾何学的になりがちで風景とのマッチングという点で不自然さが否めないケースが多いです。
少し辛辣な言い方をすれば「これならでっかいお座敷運転と同じじゃないか」と思えるケースもすくなからずあります。
大レイアウトである以上は組線路では不可能な大径のカーブをゆったりと列車が走る様を眺めたいと思います。
これまでの実験結果から言って最小半径で900ミリあれば組線路よりはるかにリアルな曲がりっぷりが堪能できる事がわかりました。
直線部も真っ直ぐなレールを延ばすのではなく1200R以上の緩やかな曲線とする事で魅力的な走りと地形に従属したシーナリィと線路との一体感のあるレイアウトが可能と思われます。
3・勾配の設定
これも市販の橋脚を用いた4%勾配では玩具くささが取り去れないだけでなく長編成を1モータで引っ張ることが困難となる為大レイアウトでは避けたい要素です。
原鉄道模型博物館では複数の線路のレベルを違えて組み合わせる事で勾配の無い山岳レイアウトを可能にしている点で非常に参考になるものでした。
これは極端ですが、実車の印象などをみると1パーセント程度の微妙な勾配があった方が走りのリアリティの点で悪くないと思います。
4・魅力的な俯瞰
実景の俯瞰を眺めて特に感じるのですが大レイアウトだからといってシーナリィのモチーフをあまり詰め込み過ぎると悪い意味で幕の内弁当的になり、まとまりのない俯瞰になると思います。
これなどは博物館のレイアウトの殆どすべてが陥りがちな罠です。
最低限「山岳風景」「都会風景」を同じレイアウトに組み込むのはこの場合避けるべきだろうと思います。
もし二つの要素を混在させるなら出来る限り緩衝となるシーナリィ(たとえば山岳地帯とビル街の間に団地を挟むとか)を間にはさみ風景の変化を無段階で感じさせるセンスが必要と思います。
あるいは体育館ほどの大きさのレイアウトルームならそれも可能でしょうが。
5・レイアウトの高さ
これもこの間の論の繰り返しですが、レイアウトを眺めたり操作するなら椅座位か立位の方が長くかつ疲れずに楽しめると思われます。
そこから考えると椅座位では最低でも900ミリ、ウォークアラウンド運転を想定するなら1100〜1200ミリは欲しい気がします。
但し、これはあくまで列車の走るレールの高さの数値です。
実際にシーナリィ込みになると見た目の高さはさらに高まると思われます。
・・・と、まあ理想を語るだけならいくらでも言えますがこんなのが実現できればなあというため息だけで(大汗)
無闇に長いだけの論でしたがお付き合い頂きありがとうございます。