入門書・1
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科学教材社「Nゲージ」


昭和50年当時Nゲージのみを扱った書籍は他になかった事もあり実用的な教科書を期待して購入したものでした。
当時の田舎では書店の店頭にこの種の本が出ていることは先ず無かったので当然取り寄せでしたがネット通販も無かった当時注文から到着までは一月近く掛かった記憶があります。
それだけ待たされた本でしたので到着時には大変な期待を持ってページをめくったものです。


驚いたのは全編の8割方が車両の自作記事だった事でした。
当時製品化されていなかった181系や165系(型紙利用のペーパーキットでした)は良いとして、発行時期(昭和47年初版です)の関係からか既に製品化されていたキハ82系、10系客車、果てはこの当時KATOの製品を入手していたキハユニ26の製作記事まで掲載されていたものですから当時の私は少なからず失望したものでした。


一部にはKATOのC62を北海道仕様のC622に改造するものや付属の型紙でクモユニ74を作るものまであって楽しめたのですが、レイアウトの製作記事を期待していた身には肩透かしを食った感じもしたものです。

それでもレイアウトの製作記事は最後の方に掲載されていて内容的にはきちんとした製作法になっていたのが救いでした。
ですが今見直すと今のビギナーには結構高度なものばかりだったのに驚きました。
C622の改造などNのロストパーツも銀河モデルもない時代に殆どスクラッチでパーツを用意させるところが凄かったです。
また、形態は単純なペーパー車体モデルでも181系や0系などは先頭部をソリッド切り出しで作っていたりと今のモデラーでもてこずりそうな技法のオンパレード
(のちの「模型とラジオ」本誌はこれに輪をかけたハイテクニックでしたが)

以上は小学生だった私の購入当時の正直な感想です。

この本も最近見返す機会が出てきたのですが、当時の動力車の詳細な分解・構造分析の記事があったりメーカーごとに微妙に違う線路の寸法差の一覧(Nゲージと言っても完全に9ミリ幅と言うわけではなくメーカーによってごく僅かな差がある)があったりとむしろ今になってその凄さが伝わってくる感じがしました。
パワーパックの自作記事やレイアウトの製作は今のように様々なパーツが揃っていない時期にあり物の素材を使って実感的なレイアウトを作るプロセスが素晴らしいと思います。
こんな風に入手当時と今とでこんなに印象が違う本も面白いものです。最初は役に立たないかと思われていたものでも後になればどう役立つか分からないものですね(笑)



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