入門書・1
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保育社「鉄道模型」


今は本屋で見かけませんがかつて保育社から「カラーブックス」と言う文庫が出ていた事がありました。

様々なジャンルの趣味や紀行をカラー写真で紹介する文庫と言うコンセプトのシリーズで当時は本の題材として取り上げられる事の少なかったジャンルの趣味の入門書も数多くラインナップされていました。
鉄道関係のラインナップも結構充実していましたが、昭和52年頃にこのシリーズでも「鉄道模型」と言うのがリリースされた事があります。

著者は山崎喜陽氏。当時のTMSの主筆で鉄道模型界の大御所でしたが、常にあらゆるジャンルに精通し実践を伴った考察をTMS誌上で語られ、没後10年以上を経た今でも単なる一読者であった私に大きな影響を与えて下さっている方です。。

私がそれまで手にしていた鉄道模型の本で「完全な新刊」として入手できた最初の本がこれでした。

それまでに読んできた入門書や書籍はいずれも発行から日が経過している事が多く、当時のNゲージの様に急速に変化していたジャンルについてはタイムラグの大きさを感じていたのですが流石にこの本については当時の最新のスペックで語られていました。
何よりも当時子供だった私にも理解しやすい文章だったのは有難いポイントでもあります。

今読み返しても驚くのは16番やNはもとよりライブスチームやコレクションとしての鉄道模型、メーカーによって異なるポイント通電方式について文庫本サイズ(しかも決して厚いとはいえない)の中で実に要領よく纏められている事です。
流石に内容的には今も通用する部分は少ないのですが、鉄道模型全体を俯瞰した入門書としては構成や見せ方の点で未だにこれを越えるものは出ていない気がします。
最近はこの種の本も細分化が進み、レイアウトだけ、車両だけ、16番(HO)だけというのが多いのですがジャンル全体を俯瞰できる本が一冊くらいはないと視野が狭まる一方ではないかと言う気がします。

いや、この頃ですら本書も含めて他にも何冊か入門書が出ていますが今でも記憶に残るものは殆どなかったように思います。
この本については新刊として出たときに1冊(大分ぼろぼろになりましたが)大分後になってブックオフの100円コーナーにあった1冊と都合2冊持っていますが、実際保存用の一冊があっても良い本と思いました。

こういう優れた入門書は改訂を加えつつ何時までも出ていてほしい性質の本と思うのですが、ぜひ再販を希望したいと思います。

余談ですが、カラーブックスは今でも古本屋などでお目にかかる事がありますが、鉄道以外のジャンルでもレイアウト造りの参考になるような物(例えば「雲の表情」「日本の民家」など)があって意外と重宝するシリーズと思います。

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